hiramesのブログ

サラリーマンを辞め、起業をするまでの軌跡

語り尽くされた正義は、現代の会社組織では不要だという現実

会社という組織は、それぞれの役割があり、その与えられた役割を全うすることで目的を達成する。と僕は思っていたのですが、それは正論であり、正義ではありませんでした

会社の正義は、経営上層部の価値観であり、倫理的で道徳的な正義とは違います。実際の会社では、役割や部署を超え、何でもこなすスーパーマンたちが仕事の大半をこなし、残りの人間は、スキルを持つ人間の尻を叩き、おだて、より多くの成果を出させるように仕組む。それが会社の正義です。

実際に、自らのポテンシャルを最大限に発揮し、限界まで仕事をしているのは、全社員のうち二割程度で、六割の人間は足を引っ張らない程度に仕事をし、残り二割はスーパーマンたちの足枷になっています。

そして、足枷になっている二割が、将来の経営上層部候補になります。とても理不尽な話ですが、与えられた役割の仕事を他人に任せ、社内政治にうつつを抜かしている人間が昇進し、与えられた役割以上の仕事をしている人間は、目の前にある仕事を片付けるため、勤務時間は集中し、定時後に経営上層部と親睦を深めることもなく、出世するチャンスを失います。つまり、出来るだけ仕事をせず、手柄だけを自分のモノにする輩が、経営上層部に君臨します。そして、その価値観が会社の正義になるのです。

これが現代の日本企業の姿です。もちろん、例外的に、世間一般の人間が考える正しいことを評価する会社もありますが、日本社会では苦渋を舐めることになってしまいます。姑息な手を使い、相手を利用することに長けている経営上層部が仕切る会社と、正論を正しいとする真面目な経営者の相性は最悪です。まるで、社内のスーパーマンのように、正しいことをしようとする会社は、他人の不幸を糧にしてでも私腹を肥やすのが正義だという会社にズタボロになるまで利用され、最終的には競争に負けてしまいます。

これは、現代の日本経済の低迷を見れば明らかです。

正しいこと、真面目なことをする人間は利用され、相手のことを出し抜いてやろうと躍起になっているズル賢い人間が得をする世の中にしてしまったのは、日本経済を牛耳るそんな輩たちの価値観です。日本人が持つ自己犠牲精神を自らの利益のために利用し、その利益を還元せず、私腹を肥やす人間が多い。

物価高騰が続き、企業努力ではカバーできなくなったため、自社製品の値上げに踏み切る」などという企業のうち、従業員の給料に反映している企業があるでしょうか。

原材料費の価格が上がったことは理解しますが、従業員を大切にしている会社であれば、物価高騰の煽りを受けている従業員の生活を守るために、従業員の給料も上げるのが正義です。

ですが、現在の経営上層部というのは、大企業も、中小企業も、他人に苦労をさせ、自分はラクをしてきた人間です。つまり、自分の幸せのために、他人がどれだけ苦しんでも、関係ないという価値観を持っている人たちです。そんな輩が従業員のために犠牲を払うとは思えません。結局、自分以外の人間は、利用する相手だと思っている人間たちが日本の経済を牛耳っているので、倫理的、道徳的に正しい意見を採用することはありません。だって、自分が損をしてしまうんだもん。

これからの日本経済の課題は、『正義のヒーロー』が活躍した分だけの対価を得る仕組みを作るために、どの会社にもいる自己愛に包まれたジジィたちと、そんなジジィに媚を売るクズどもの排他です。何年掛かるか、本当に実現できるかは分かりません。ですが、正義が負けることがあってはいけません

正しい世の中にするためには、会社では与えられた役割以上の仕事はしてはいけません。少なくとも、僕は自分に与えられた仕事だけを完遂し、他人の仕事には一切、手を出しません。全員が平等に与えられた仕事をするという、ごく普通の世の中にするために僕は今日も知らん顔をしています。